院長コラム

食事を見直す「蛋白質神話」編

2010年2月13日

前回、我が国が築き上げてきた理想的な食事が解体されつつあると述べました。今回から具体的な事例についてお話ししてゆきます。医学にまつわる実にさまざまな神話について順次、解明していきましょう。

まず「蛋白質神話」からとりあげてみます。かつて米国では、エネルギー源、活力源として牛肉を主食にする食事が理想とされてきました。しかし、その結果、心筋梗塞、脳梗塞、下肢の閑塞性動脈硬化症(壊疽)、大腸癌、乳癌、骨粗鬆症、炎症性腸疾患が急増しました。

今や米国では蛋白神話は崩れ去ろうとしています。米国人の蛋白質の平均摂取量は一日当たり平均102グラムです。これは、必要蛋白質量一日当たり40~50グラムの約2倍にあたります。我が国の平均摂取量は一日ほぼ80グラムで、まだ米国人の水準にはなっていませんが、所要量を越えています。

蛋白質は炭水化物や脂肪と異なり、窒素が含まれています。炭水化物と脂肪は、炭素、酸素、水素の3元素のみで構成されています。これらの3元素は、燃焼すれば水と二酸化炭素になります。これはクリーンなエネルギー源と言えます。

ところが、蚕白質は窒素を含んでいますので、これを肝臓で尿素・尿酸に変え、肝臓から腎臓に運んで排泄します。窒素はクリーンなエネルギー源ではありませんから、排泄しなくてはならないのです。

蛋白質はアミノ酸から出来ています。蛋白質を過剰に摂取すると、血液は酸性に傾いてしまいます。それを中和するために、骨や歯からカルシウムが溶けだします。

蛋白質の摂取量が一日当たり75グラムを超えると、摂取量に比例してからだからカルシウムが失われていくことがわかりました。

つまり肉食(獣肉)を続けていくと、骨粗鬆症になるということです。我が国の平均80グラム摂取量は、危険域に入ったことを示しているのです。