院長コラム

食事を見直す「ピロリ菌の感染」編

2012年10月22日

今回は、ヘリコバクター・ピロリ菌感染についてです。
2005年度のノーベル医学・生理学賞はヘリコバクター・ピロリ菌の発見者マーシャル博士等でした。
1982年の発見から、二十数年後に大変な成果であったことが判明したことになります。

胃炎の原因のほとんどが、ヘリコバクター・ピロリ菌によるものです。残りは消炎鎮痛薬による胃炎です。ピロリ菌による胃炎が長年にわたって続くと、胃癌が発生します。胃癌患者さんの90%以上が、ピロリ菌保菌者です。ピロリ菌が胃に存在すると、胃潰瘍や十二指腸潰瘍が再発し(70~80%)、除菌すると再発は、ほとんどありません。ピロリ菌が胃にいると、慢性胃炎が続き、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の再発や胃がんの発生につながることが判明したのです。抗生物質と抗潰瘍薬を一週間内服して除菌します。
ピロリ菌はヒトの胃内にしかいません。動物や環境中では存在できません。したがって感染はヒトからヒトへです。免疫力の弱い乳児期に、口うつしに与えられた食物を介して、経口感染すると思われています。
ピロリ菌陽性の人は、子供や孫に、口うつしで食べ物をあげないようにしましょう。