糖尿病を考える

糖尿病は国民病

 糖尿病を放置しておくと、失明や慢性腎不全、足の壊疽(えそ)による切断といった合併症になってしまうことが知られています。一方、糖尿病は動脈硬化を促進し、心筋梗塞や脳梗塞など生命に関わる病気に至らせることも少なくありません。
糖尿病の患者数は、戦後の経済成長とともに急上昇しており、現在、糖尿病が強く疑われる人や可能性を否定できない「予備群」を合わせると、推計患者数は2210万人(厚生労働省「2007年国民健康・栄養調査」)。日本の総人口の17%以上に達する勢いで、今や国民病と言っても過言ではありません。

当院では、一般的な内科診療に加え、特に糖尿病の外来および入院治療に力を入れており、栄養・運動指導とともに、患者様が自らの生活習慣改善に取り組まれるよう、随時、糖尿病スクールを院内で開催しています。
この「糖尿病を考える」のページでは、当院の糖尿病スクールの内容の一部をご紹介します。

各章の内容

第1章 糖尿病とは
糖尿病の本態(本当の姿)は、すい臓からのインスリンの出具合と、インスリンの働き具合にあることを説明します。

第2章 糖尿病の診断基準
糖尿病の診断基準について説明するとともに、糖負荷試験についてご紹介します。

第3章 糖尿病の治療方針
当院の治療方針について説明します。
当院では、すい臓にインスリンを分泌できる能力(インスリン産生指数)がどれくらい残っているかを調べ、すい臓を保護する治療方針を立てています。

第4章 当院の独自分類について
糖負荷試験で調べたインスリン産生指数と、2時間後血糖値に基づく分類(当院での独自分類)について説明します。インスリンの出具合(分泌能)を数値化し、全部で9つに分類することで、インスリン導入期やインスリン離脱期を含んだ人から、糖尿病末期にいたる人々、健常人まで全てとらえる新分類です。

第5章 HOMA法
一回の採血で空腹時血糖値とインスリン値を予測できるHOMA法について簡単に説明します。HOMA法とは、インスリンの出具合(インスリン産生能)とインスリンの働き具合(インスリン抵抗性)をグラフに表したものです。この章の内容はやや専門的ですので、飛ばしていただいても構いません。

第6章 糖尿病治療の実際
インスリンの出具合によって、当院では実際にどのような治療を行っているかを説明します。

第7章 強化インスリン療法とは
外からインスリンを補ってすい臓を休ませる「強化インスリン療法」について説明します。

第8章 内服薬の組み合わせ
食事療法・運動量療法に加えて活躍する内服薬について説明します。

第9章 インクレチン関連薬について
「インクレチン関連薬」について紹介します。
小腸から分泌されるホルモンであるインクレチンは、インスリンの分泌を促し、血糖値が上昇したときのみに作用して血糖を降下させます。さらに、不適切なグルカゴンの放出を抑える働きがあります。このホルモンの働きを強める新しい内服薬が「インクレチン関連薬」です。本章では、「インクレチン関連薬」のなかでも、特にDPP-4 阻害薬を中心にした糖尿病の治療戦略について説明します。

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