糖尿病の治療方針

インスリン値を測定することで見えてくる糖尿病の治療方針

糖尿病の治療方針を決める上で、最も大切なことはインスリン値を測定することです。
血糖値やHbA1cの値だけでは治療方針は決定できません。血糖値が高いから、HbA1cが10%を越えているからといって、インスリン治療を開始するのは間違いです。もしインスリンが出ていなければ、インスリン治療が必要ですが、インスリンが出ているならば、インスリン治療は必要ありません。

インスリンがどのくらい出ているか?(インスリン産生指数の調べ方)

糖尿病の患者さんはインスリンの追加分泌がまず低下します。これを調べる方法として、日常簡便にできるのが糖負荷試験です。最初の30分で血糖値の上昇量とインスリン値の上昇量を測定し、血糖値の上昇量に対するインスリン値の上昇量の割合を求めます。
初期(30分)の血糖上昇に対してどれくらいインスリンが分泌できる能力があるのかをみるわけです。これをインスリン産生指数といい、インスリンの初期分泌を示します。

インスリン産生指数が0.4以上であれば、分泌力は損なわれていません。


一生、インスリン治療から離脱できないわけではない

では、インスリン産生指数が 0.1以下でインスリン導入した人は一生インスリン治療となるのでしょうか?そうではありません。インスリン治療を行い、すい臓の疲労を回復できればインスリン離脱可能となります。インスリン産生指数が 0.1以上になればインスリンは中止できるのです。
インスリン導入時にも、インスリン離脱時にもインスリンの測定が必要です。血糖値が低下していても、HbA1cが低下していても、インスリンの分泌能が回復しなければインスリンは止めることはできません。

インスリン分泌が回復すれば、今現在、血糖値が高くても、HbA1cが高くても将来に向けてインスリン治療から離脱できる可能性があります。インスリン値を測定することによって治療方針がみえてくるのです。決してHbA1cの値のみでは治療方針とはなりません。

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