HOMA法

一回の採血で空腹時血糖値とインスリン値を予測できるHOMA法

糖負荷試験は2時間かかる検査で、4回の採血が必要です。
もっと簡単にインスリン分泌能を調べる方法があります。
1回の採血で、空腹時血糖値と空腹時インスリン値を計算する方法でHOMA(ホーマー)法と呼ばれています。イギリスの数学者マシューズが開発しました。あまり馴染みがないかもしれませんが、簡単に説明します。HOMA法とはインスリンの出具合(インスリン産生能)とインスリンの働き具合(インスリン抵抗性)を一つのグラフに表したものです。

下のグラフを見てください。インスリンの出具合を表すのが、HOMA-β(ホーマーベータ)です。グラフでは直線で表されます。そして、インスリンの働き具合(インスリン抵抗性)を表すのがHOMA-R(ホーマーアール)。グラフでは双曲線で表されています。

HOMA-βについて

それでは、インスリンの出具合を表すHOMA-βを説明しましょう。
HOMA-βは、空腹時インスリン値と空腹時血糖値を下の数式に入れて計算します。

グラフでは、直線で表されています。

欧米人ではHOMA-β=100%が正常値です。

欧米人に比べて、日本人はインスリンが出にくい民族ということもあり、日本人の正常値は欧米人よりも少なくなっています。日本人での正常値は70%でした。(本院で20歳、30歳、40歳、50歳、60歳で調べました。)計算の結果、HOMA-βの数値が低ければ、インスリンの出具合が少ないことになります。

HOMA-β < 20%のときは、インスリン治療が必要になります。

(グラフの背景が赤い部分です)

HOMA-β > 30%になれば、インスリン治療からの離脱が可能となります。


HOMA-Rについて

HOMA-Rはインスリンの働き具合(インスリン抵抗性)を表します。
HOMARも、空腹時インスリン値と空腹時血糖値を下の数式に入れて計算します。

計算の結果は、双曲線のグラフで表されます。

HOMA-Rの数値が高くなるほど、インスリンが効きにくい(抵抗性が高い)ことになります。インスリンの働き具合が悪いと、同じだけの血糖を下げるのに、より多くのインスリンの量が必要になるわけです。

HOMA-Rが、1.73以上のときは、インスリン抵抗性があると判断されます。(グラフの背景が赤い部分です)何らかの理由でインスリンが効きにくくなっているのです。

また、HOMA-Rの高い人は、糖尿病に関係なく「心筋梗塞」や「脳梗塞」が起きやすくなることが判っています。HOMA-Rはインスリンの働き具合だけでなく、脳心血管イベント(心筋梗塞、脳梗塞)が発生しやすいかどうかの指標にもなるのです。HOMA-Rはインスリン分泌能を表すHOMA-βとは独立した因子です。

HOMA法による判定を下記にまとめておきます。

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