糖尿病治療の実際

インスリンの出具合から治療指針を決定します

当院では、今までお話ししてきたようにインスリンを測定し、インスリンの出具合(分泌能)とインスリン働き具合(インスリン抵抗性)を数値化し、治療方針の基準としています。
糖尿病治療の中心は食事療法と運動療法です。これなくしては、どんな糖尿病の治療をしても、良好な状態は保てません。それを踏まえたうえで、インスリンの出具合(分泌能)によってそれぞれ治療指針を立てています。

インスリンの産生指数<0.1のときはインスリン治療を開始

この場合は、すい臓が弱ってしまって、ほとんどインスリンが出ていない状態です。そこで弱ったすい臓を休ませ、保護するために外からインスリンを補うインスリン療法を行います。インスリン治療は強化インスリン療法が原則になります。

インスリン産生指数が0.1~0.4のときは食事療法・運動量療法に加えて、いろいろな内服薬が活躍

ある程度インスリンが出ているのでインスリン療法は行わず、内服薬を用います。インスリンの出具合や効き具合、食後血糖値の高さなどの状態によって、適切な薬を選びます。ただし、当院ではSU薬を使用しません。この薬剤はインスリン基礎分泌のみを24時間にわたり刺激します。したがって空腹時血糖値は低下しますが、食後血糖低下作用は弱く、動脈硬化症を防ぐことはできません。さらに、長時間(8年以上)使用し続けるとすい臓の β細胞の疲弊をきたし、一生インスリンを打ち続けなければならなくなるからです。

インスリン産生指数>0.4のときは食事・運動療法のみで治療

このときは原則として薬剤は使用せず、食事・運動療法のみで治療を開始します。ただし、食後血糖値が高いとき、アルファ―グルコシダーゼ阻害薬(α―GI)を、インスリンの効きが悪いとき(抵抗性が大きいとき)には、チアリゾン誘導体(TZD)を使用することがあります。

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