内服薬の組み合わせ

内服薬の組み合わせ

インスリン産生指数が0.1~0.4のときは食事療法・運動量療法に加えて、いろいろな内服薬が活躍します。

食事療法・運動療法で糖尿病のコントロールが不十分な場合に、内服薬を用いた薬物療法を開始します。当院では、糖負荷試験やHOMA法の結果から、個人個人の病態にあわせた適切な薬剤を選択しています。(薬物療法の適応は2型糖尿病です)。また、妊娠中や妊娠する可能性の高い場合、および授乳中には内服薬は使用しません。

内服薬を単独で用いた場合の長所と短所についてまとめておきます。

食後血糖値が180mg/dl以上のときは
α-GI(アルファーグルコシダーゼ阻害薬)を併用します。

アルファーグルコシダーゼ阻害薬は、小腸で糖質の消化・吸収を遅延し、食後高血糖を改善する薬です。
食事の直前に服用しなければ十分な効果が得られません。
また、腹部の膨満感や放屁といった腹部症状がしばしば見られます。
例)
ベイスン(0.2mg)3錠 毎食直前
セイブル(50mg) 3錠 毎食直前
追加)
グルコバイは副作用が強いので、当院では使用していません。

インスリン産生指数が0.2ぐらいに低下しているときは
グリニド系薬剤である速効型インスリン分泌促進薬を併用します。

速効型インスリン分泌促進薬は、すい臓β細胞のSU受容体に結合して、インスリンの分泌を促進します。
作用の発現が速く、持続時間も短いのですが、SU薬よりも低血糖が起こりにくい特徴を持っています。
例)
ファスティック(90mg)3錠 毎食直前
グルファスト(10mg)3錠 毎食直前

インスリン抵抗性(HOMA-R)が大きいとき(1.73以上)はチアリジン(TZD:インスリン抵抗改善薬)を使用します。

インスリン抵抗性を改善する薬で、骨格筋や肝臓でのインスリンへの感受性を改善します。
定期的な肝機能検査が必要であり、むくんだり、心不全の誘発、体重増加などの副作用に注意して使用します。
例)
アクトス(30mg)1錠 毎食後
またはビグアナイド薬(BG)を使用することもあります。
メトグルコ(250mg)3錠 食後

メトグルコは2010年から増量可能となり、1日2250mgまでを使用可能となります。
従来の3倍量です。

全ての場合に使用可能な新薬が2009年12月に発売されました。
DPP‐4阻害薬と呼ばれています。

この薬は、小腸から分泌されるホルモンであるインクレチンを増加させる薬剤です。
インクレチンは血糖値を上げるグルカゴンの放出を抑え、インスリンの分泌を促進させて血糖を下げますが、血糖値が高いときだけ作用するので、原則的に低血糖を起こしません。詳しくは次の章で説明します。

例)
ジャヌビア(50mg) 1錠
朝食後

使用してはならない内服薬としてSU薬があります。

この薬は、すい臓β細胞に直接作用して、インスリン基礎分泌のみを24時間にわたり刺激します。
したがって空腹時血糖値は低下しますが、食後血糖低下作用は弱く、動脈硬化症を防ぐことはできません。さらに、長時間(8年以上)使用し続けると膵β細胞の疲弊をきたし、一生インスリンを打ち続けなければならなくなります。
当院ではこの薬は使用していません。ただし、残念なことに世間一般には最も使用されている薬剤です。

例)
ダオニール(2.5mg)1錠 朝食後
グリミクロン(40mg)1錠 朝食後
アマリール(1mg)1錠 朝食後

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